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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第十三話」

「空想の世界は、基本的にネットやメディアで合成されてる世界だよ。ネットに自分の顔写真や情報をアップロードしても、空想の世界の住人になるんだ」
「え、でも、それじゃあ、空想の世界はみんなが関与してるって事になりません?」
「普通は、一般人は『村人その一』みたいな扱いになるんだけど…君は大衆の好奇の目にさらされる様な載り方をしたから、極地の影響を受けて、俺達が見えるようになってしまったんだ」
「極地って、何ですか?」
志那は、極地に付いてアメジストに聞きました。
「好奇の目とか欲望とか…人間の黒い心で合成された禍々しい存在だよ。人々の思念が集結してるんだ。極地の中に入ると、好奇の目にさらされ続けるんだ。だけど、強大な力も得るから、それを悪用する輩も居るんだよ」
「こ…怖いですね」
「おびえなくて大丈夫だよ。君は、そんなに重症になる程、影響は受けていないからね。俺の仲間達に比べたら…」
アメジストは、うつむきました。
「仲間達って、林檎王子のメンバーの事ですか?」
「そうだよ。みんな、『ガーネット』って言う架空のメンバーに恋愛の呪いを受けたかの様だ。恐らく、セラフィの呪いだよ…」
「セラフィって、あのセラフィですか?」
「勿論、空想上のだよ。俺とセラフィは恋人関係だったが、グループ全員と関係を持ってるから、俺がグループを去った途端に別のメンバーに乗り換えたんだよ、あの女…」
「え…」
志那は、セラフィが悪ど過ぎて凍り付いてしまいました。
「ゴメン、私情だったね。メンバー全員がセラフィの呪いでおかしくなったんだ」
「セラフィがココまで悪女だったとは…」
「志那ちゃんは、ひょっとしたら、空想の世界に行けるかも知れない」
「空想の世界?!」
志那は、突拍子の無い話にビックリしました。
「ど、どうやって行くんですか?!現実世界の人間って行けるの?!」
「いや…こう何人も空想の世界の住人が見えて話せるから、ひょっとしたら…と、思ってだけど」

「…私、現実世界に居ても、このままじゃ変な人扱いだし、誰も空想の世界が見えなくて、打ち明ける相手が居ない現実世界に居ても辛いだけだよ…」
志那は、しばらく考えました。
「…私、空想の世界に行くよ。こんな現実より、空想の世界に行って、アメジストさんの仲間達、助けたいもん!」
「志那ちゃん…俺の為にありがとう」
アメジストは、少し嬉しそうでした。
「じゃあ、早速入るけど…まだ試した事が無いから、本当に成功するかどうか分からないけど…」
「大丈夫です。きっと、成功しますよ」
アメジストは、空想の世界へのホールの様な入り口をを開きました。
「…行きますよ」
アメジストは志那を連れて、空想の世界の入り口に入りました。
「うわっ…」
二人は、ホールの出口に出ました。
「あれ?何ともない…って事は、成功?やった!」

9/11/2022, 10:32:03 AM