▶44.「イルミネーション」
43.「愛を注いで」
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1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
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「承認されました」
そう電子音声が流れると、
部屋の天井に近いところで明かりが点滅し始めた。
色とりどりなそれは、好き勝手に点滅を繰り返している。
信号としての意義は無さそうなので飾りなのだろう。
人形は天井から視線を外し、正面の大型機器を見た。
(これだけの技術、間違いなく戦前のもの。まさか動くとは)
手形のある機器も始めこそ光ったが、既に反応がない。
✕✕✕は手を外して前に寄る。
どれも専門用語で書かれているようで人形には意味が分からない。
しかし、じわじわと数値が増えている箇所があった。
それと共に、空白が塗りつぶされていく部分もあった。
(この後、何かが起こる)
とはいえ、その時が来るのは、まだ先のようだ。
人形は、他に続く通路に入ることにした。
12/14/2024, 1:58:57 PM