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赤い糸…

私には その人が育てている赤い糸が見える。

運命の赤い糸は、素材も太さも長さも、そして
実は、色も赤一色じゃない。

それぞれの人が育てている糸は、この世に産まれたら既に持っているものだ。

育てる とは相手に気持ちが伝わるように、透明がかった赤から想いの分だけ どんどん濃くなる色と、弱々しい糸からしっかりと太く、まるで葡萄の蔓のようにしなやかに伸びていくこと。

ただ、糸はその人の中で唯一無二の一本に自分が気付くのは相当な時間がかかるんだ。

私も そう。

私から伸びて育てた糸は、私が愛しいと恋した相手に伸ばそうとしてきたものだから、時代と共にもう何本も伸びている。

途中で少し結ばれて、緩んで解けて、諦められなくて糸の先が細く千切れそうになっている糸もまだ、大切に、その想いを染みさせて取ってある。

そんな糸が、沢山ある。

時々、私に好意を持って伸びてくる糸もあったけれど、私の糸と絡むことは無かった。

出会いの数ほどの無数の赤い糸は、皆、持っているんだ。

その中で、最も誰が見ても、これだ!っていう太さと長さと馴染む手触りと 何と言ってもルビー色かと思う程の真紅の糸が たった一本あるんだ。

それは、今隣りにいるパートナーかもしれない…
まだ出会っていない誰かなのかもしれない…

お互いの別々の糸が結ばれて、ルビー色の真紅に
なれるかな…なれないかな…

思うようにならないのが、人生だけれど 相手を信じて結ばれて、溶けて本来の赤い糸になる人が、沢山 いたらいいな。

あの人も、この人も、そこのあなたも、沢山赤い糸を育ててわしゃわしゃになっていても 大丈夫!
その時が来たら ピーンと糸が張るから わかるはず。

私の唯一無二のルビー色の糸は 生きている限り見守って、応援して、どんな時も味方でいよう!と逢った瞬間にピーンと 糸が張った 我が子。

恋愛だけじゃないのよ 赤い糸は…



*読んで下さり ありがとうございます*


6/30/2023, 11:48:08 AM