基本的に夢見が悪い。
歯が抜けたり、小さい生き物を死なせてしまったり、過去に私に嫌がらせをしてきた人間と仲良くなろうと努力する夢だったり。
目覚めた瞬間「うわ!夢で良かった!」と思うのは少し得をしたような気がしないでもないが、やはり寝ている時くらいは穏やかな夢で脳と体を休めたいものだ。
だからこそ、ごく稀に見る良い夢はよく覚えている。
まだ十代の頃だっただろうか。ものすごく面白い漫画を読んでいて、爆笑する夢を見た。寝ている私は実際に笑っていて、なんと自分の笑い声で起きた。
そして「えっ、夢?!」と思った瞬間にその面白い漫画の内容は遥か彼方へと吹き飛び、面白かったという記憶だけを残して消えた。
嫌な夢は起きた後でもしっかり覚えているというのに、なんたる理不尽!
あの漫画の続きをもう読めたら、と今でも願うことがある。十代の私が面白かった作品を今の私が読んでも面白くないかもしれないけれど、それでも良いと思うくらい夢見悪い界隈ではセンセーショナルな体験だったのだ。
なんと言ってもそれを生み出したのは私の頭なのだから、可能性はあるのではないか?
ああ私の脳よ、今夜こそあの夢のつづきを見せて
1/12/2025, 11:47:10 AM