【また明日】彼女の手を、そっと離した。彼女は左に、自分は右に向かう。お互い、視線を合わせて、少し笑う。「また、明日」「うん、また明日」いつものように言い合って、同時に背を向け、歩き出す。視界は段々ぼやけてきて、それで自分が泣いてることに気付いたけれど、拭いもしないでそのまま歩く。もう、明日には会えないことは知っているけど、それでも、いつもの挨拶をしたかった。それだけで。涙が、ずっと止まらないまま、歩き続ける。
5/22/2024, 12:20:58 PM