永遠の花束
私の引き出しには、枯れることのない永遠の花束がある。
葉書に描かれた有名な画家による花束の絵。
よく知っている花の種類なのに、
見るだけで心躍るのは一体なぜか。
共鳴するのは、
歴史的な背景か、
思想か、
感性か、
その人の無意識か。
私が何を好きでいるのか、
好きという気持ちはどういうことか、
つまり私が私であることを思い出すための、
永遠の花束。
永遠ときくと、私は恐ろしさの方が勝つ。
対象が人だったら、尚更。
真剣なその人から私は逃げたくなる。
でも、この美しい葉書に閉じ込められた花束の永遠だけは、素直に受け止められる。
わたしが死んだ後、きっとこの葉書は静かに破棄されるだろう。誰も知らない、後世にも受け継がれない、短い永遠と自分との対話が、私の心に温もりを取り戻させる。
2/4/2025, 3:20:20 PM