Mey

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私は自他共に認める方向音痴。
地図は向かう方向を上に向けないと行き先がわからないので、ぐるぐる回して歩く。
スマホの地図アプリで現在地を表示しても、自分が動いてみないと自分が向いている方向がわからない。
駐車場に自分で停めた自家用車の位置がわからなくて長時間探す。
商業施設の店で買い物した後で歩いている方向は、行きたい方向とは真逆で元の通りを戻っている。
兎に角、自慢ではないけど、私の方向音痴のエピソードはたくさんある。

旦那は、羅針盤のような人。
地図は北を上にするし、初めての場所でも方角はわかっていて、元来た道を引き返すこともない。
「なんで初めてでも迷わないの?」
「鳥になったつもりで、空から景色を見るイメージでいれば迷わんよ」
「…私には無理だ。どこに何があるかさっぱり」
「ね、お母さんはそうだよね。日本地図を思い浮かべた時、自分がどっち向いてるかわからんでしょ」
「うん、全く」
「わしがおらんとお母さんは迷子になるね」
…そう思うなら、もっとゆっくり歩いてよ。
と文句を言う代わりに、重いバッグを持たせた。

旦那は、生き方においても羅針盤のような人。
長女の進学先もネットを駆使してたくさん調べて、候補の中から「この大学へ」と勧めてくる。
長女と私は出身高校が同じで、そんなに高学歴は望めない。
と、高校受験前に懇々と説明したけれど人の話は聞かないので、旦那はこの大学に落ちるわけがないと懇々と述べた。
で、半信半疑でその大学に受験して落ちた…
長女の受験に対する必死さが足りないとも言えたけれど。

旦那は昔から、自分を信じて高みを目指して能力を向上させた人だとエピソードを聞いていて思った。だから、家族の皆んなもそれができると思っている。

羅針盤は強固でテコでも動かない、ある意味欠陥品かもしれない。
でも、頑張れば、その道へ進めそうだと希望も持てる。

長男が共通テストを受けた。
次は大学の前期試験。
羅針盤はとんでもなく優れた大学へ向いている。
長男はそこへ向けて勉強中だけれど、共通テストを終えて少しだけギアが緩んでしまっているように見受けられる。
共通テストのリサーチによって、受験先を変更するか否かは旦那の羅針盤と、息子が「受ける、受けない」のどちらを言うかにかかっている。
そこには、学校の意見も予備校の意見も関係ないのだ。

私は誰とも揉めないように、へらりと笑って同意してしまうことが多い。
そこに羅針盤はなく、地図をぐるぐる回す生き方だ。

テコでも動かないとムカつくことも多いけれど、
私は羅針盤のような旦那に憧れているのも事実です。




羅針盤

1/22/2025, 11:06:04 AM