あるまじろまんじろう

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 深夜、台所で水を火にかけ、即席ラーメンの封をきった。麺を皿にうつし、湯が沸く様をぼんやりながめながら、ふと、卵をいれようと思いたち、小型の冷蔵庫を開いた。薄暗い台所が、冷蔵庫の温白色で照らされる。生卵を一つ取り出して、麺の中心、丸くくぼんで、受け入れる準備ができたそこに割り落とす。ぼこぼこ、と、湯が沸いたことを知らせる音に気付き、火をとめた。薄暗い、静寂が響く台所に、男は一人、たち呆けていた。



ココロオドル

10/9/2023, 10:05:52 AM