「どうかしましたか?」
ぼんやりと彼女の影を見て……いや見入っていた。そんな俺を見た恋人が不安そうな声で俺に話しかける。
振り返って見つめた彼女の姿は……肌色が多かった。
そう。
ライトが見せてくれた彼女の影姿は凹凸がしっかりある姿で……服特有の膨らみを感じられなかったから見入ってしまったワケです。
「……すごく……ラフな格好だね」
「え? 変ですか?」
彼女は腕を上げながら、自分の格好を確認している。
いや、ノースリーブに緩めのショートパンツに生足は……良いんだけれどビックリしてしまった。
「変じゃないんだけど……」
まあ……生まれたままの姿も見ているから別に動揺する訳じゃないんだけれど。
少し無防備過ぎじゃない?
俺は彼女の腰を抱き寄せて彼女の身体に顔を埋める。
「ん?」
「こんな格好、外でしてるの?」
「え、しませんよ!? これは部屋着です!」
彼女の香りを堪能しながら言葉を続けた。
「俺に襲われるって思わなかったの?」
視線だけを彼女の顔に向けると、彼女の目が合う。少し考える様子を見せた後に、彼女は俺の頭を抱きしめてくれた。
「それは私の望むところです」
彼女と俺の影はひとつになり、彼女の熱を堪能した。
おわり
三三八、影絵
4/19/2025, 2:18:13 PM