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『1000年先も』

今日まで、本当に長かった。
何度も何度も苦しんで、死にたくて。遠い昔に俺を置いていった家族の顔も幼馴染の声も思い出せないくらい永いながい時間。死ぬことを許されない俺は永遠に近い時を生きた。もうこの永遠も半ばを過ぎても良い頃なのではなかろうか。死にたいと心底願うのはいつも変わらなくて。

でも、彼に出逢ってから。

彼らに出逢ってから、全てが変わったんだ。

真っ暗で、海の底のような地獄から俺を掬い上げてくれた彼らとなら、もう少しだけ生きてみたいと思ってしまうのだ。


もしも、1000年先の遠い未来で、彼らの事を語り継ぐのが俺の仕事ならば。この半ばを過ぎた永遠を生きようじゃないか。




「近しい人が死んだのに、あなたがまだ生きている理由?その人を忘れないでいるためですよ。簡単でしょ?」
『お茶が運ばれてくるまでに』より。

2/3/2023, 11:38:15 AM