共存と両立

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明日、きみは運命の日を迎える。
準備はたくさんしてきた。
その時にできる1番後悔のない選択をしてきた。

その度、重たい体を引きずった。
恐怖で心が冷えていく。

ああ、このまま小さな部屋の中に閉じこもっていたい。

けれどきみは、自分のため、そして他の誰かのためを、いつだって考えていた。
自分のためだけなら、きみはその部屋の中でじっとしていて良かったのに。

きみは、気づけば外に駆け出していく。
弱い自分を叱咤して、自分の正義を貫くために。

そのたびにバカにされてきた。
出てこなければ良かったのにと。

とぼとぼと、重い足取りで、また部屋に帰ってくる。
膝を抱えて、悔しさと悲しさで涙を流す。
たったひとりで、戦って。たったひとりで、傷ついて。

もういい。知らない。そう言いながら、きみはまた、誰かの感情に引きずられて、そっと窓の外を覗く。

その光景は、楽しそうだった? 苦しそうだった?
孤独を愛するきみにはどう見える?

羨ましくなんてない。
だってきみは、いつだってそこに飛び込んでいける。

誰かと共に過ごす楽しさも、誰かと分かち合う苦しさも、
本当は知っている。

明日は逃れられない運命の日。
いいえ。逃げてもいい。約束を破るという自由はまだある。
けれど、その選択肢は必要ない。

私はきみに大丈夫だと言わない。
なぜならきみは、その不安を抱えたまま挑みたいのだから。

勝利を確信するとはすなわち、相手が悪だと決めつける行為。

きみはそれをずっと避けてきた。

きみは、根っからの悪はこの世に存在しないと、信じているから。

だからきみは、勝利を確信しない。
その不安は、最後まで信じ切りたいという意志の表れなのだから。

なにも大丈夫じゃない。
きみはこれまでどれほど傷ついてきただろう。
仕方がないでは済まされないほどの扱いを受けてきた。

泣き喚いて、怒っていい。
もっと優しくして欲しいと訴えたっていい。

だけど、きみは上辺だけの、腫れ物を触るかのような扱いをことさらに拒んだ。

人の心の、本当の声を聞きたがった。

どうしてそんなことをするのか?

酷いことをされても、嬉しいことをされても、
それだけを一途に考えてきた。

それは綺麗な願いではない。
時に人の汚い本性を暴き立てる容赦のない問いかけ。

誰もが綺麗な心を持っているとするなら、
自分の心が汚れてしまっていたことを自覚した時、
その苦しみに耐えられるものだろうか?

いいえ、一度真っ黒に染まってしまったら、それこそもう取り返しがつかない。
彼等は無自覚に、無差別に、他の誰かを傷つけて、その心を黒く染めるだろう。

きみは、それを黙って見ていることはできない。
ただそれだけのこと。







5/23/2024, 3:07:37 PM