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『将来の夢』
…なんであんな事言ったんだろう?………
『ぼくは、しょうらいけいさつかんになりたいです!』
そんなことを言ってる時期が僕にもあった。
でも、今はもう警察になろうとは思ってない。
僕は臆病で一人見知りで、発言するのにも緊張してしまう…そんな人間が警察になんかなれない…
僕の学校ではイジメがある。みんな見て見ぬふりをしている。みんな怖いんだ…もしここであの子を助ければ
今度は自分たちがイジメられてしまうから…
みんな心の中では助けたいと思っている、でも出来ない
僕にもそんな勇気は無い……みんな自分を守るのに精一杯なんだよ。
ある日の昼休み。いつもイジメられている子がいつものようにイジメられている。みんな見て見ぬふり。
僕も見て見ぬふり。
でも僕の中に一つの疑問が出てきた。
『このまま見て見ぬふりをし続けていいのだろうか?』
あの子は助けを求めたくても求められない。
なら、僕たちが手を差し伸べないと…
『や、やめなよ…!』震える声で僕はそう言った。
イジメてた子達は焦った顔をして逃げた。
『ありがとう』その子は泣きながらそう言った。
『ごめん…今まで見て見ぬふりしてた。』
『いいよ。みんなイジメられるのが怖いんだよ…
 僕だって君たちの立場だったらそうしてるさ』
『君は僕のヒーローだね』
僕はその言葉を聞いたら何故、昔自分が警察になりたいと言ったのかを思い出した。
僕は人の笑顔が見たかったんだ。皆が安全に幸せに暮らせ国を作りたかったんだ。
『警察官、もう一度目指してみようかな…』
(君なら出来るよ。ありがとう、助けてくれて)

6/23/2025, 11:40:00 AM