《星が溢れる》
その星を閉じ込めたようにきらきらと輝くその瞳が、俺の汚さを浮き彫りにする気がして大嫌いだった。
最初は、生き残るために近づいた。
彼女のその身分に、金に用があったから。
俺は演技が上手な子供だった。
「私自身を見て欲しい」
と大人の汚い欲に疲れた彼女に、本音を隠してそしらぬ顔をして、慰めた。
結果俺は彼女の懐に入り込んで、専属の付き人にまでなることができた。
俺の身分からするとありえないことだった。
俺にとって彼女はただの生き残る手段でしかない。
強いて言うなら目をあまりみたくない。彼女に対する認識はその程度だった。
、、、はずなのに。
なんで俺は彼女を庇って重傷を負った?
本当に自分の行動が理解できない。
目の前が霞んでくる。
俺の最期の光景は日々嫌というほど目に入る彼女の星が溢れるように輝きを放つ瞳。
最期くらいは見ずに済めばよかったのに。
はっきりとは見えないことが温情なのかもしれない。
オジョウサマへ
俺はあなたの目が嫌いでした。
でも、あなたへ仕えた日々は意外と楽しかった。
お世話になった恩を込めて、
あなたの生涯のしあわせをお祈り申し上げます。
3/16/2026, 9:57:02 AM