Largo giocoso

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『新年』


新しい年になり、きっと、今年の抱負を掲げる人が多いだろう。


だが、僕はそれ以前に大晦日、丸一日頑張ったのに綺麗にならないこの部屋を綺麗にしたい。

僕の気持ちはまだ、新年を迎えていなかった。

僕は正月早々スーパーにゴミ袋を買いに行き、ついでに寿司を買ったはいいものの、冷蔵庫にも消費期限が切れた野菜や飲み物、加工食品が残っていて消費期限が切れているものを全て捨てた。

そしてようやく寿司を入れようと冷蔵庫に触れると、違和感があった。

僕は嫌な予感がし、記憶をたどった。


「…………!!!!!
電気代入金するの、忘れてたああああああああぁぁぁ」



僕は急いで銀行まで走り、入金してきた。

そして、家に戻り、復旧されたのを確認し、ようやく寿司を冷蔵庫に入れれた。


その後、僕はとにかく家に親を呼べるくらいまでにした。

そして、銀行行った帰りに買った冷えたビールを1杯のみ、寿司を食べた。


充電が少し溜まったスマホを見てみると山盛りの通知と電話履歴。

僕はめんどくさくなり、1番仲が良い友達にだけ送った。


「新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ、こんな私をよろしくお願いします。」


友達からは『キモ』と帰ってきたが、僕の気持ちは伝わったみたいだ。

次の瞬間、『今から家行く』とき、さすがの僕でも驚いた。


さて、2年前にその人に借りた漫画、どこにしまったかな。


僕はサーっと冷や汗をかき、再び部屋をひっくり返す羽目になった。



1/1/2023, 2:33:01 PM