田中 うろこ

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きらきら、揺れる星々。その中でひときわ輝いた星を追い駆けていく。 僕もそうなりたくて、その光を振りまく笑顔が、心に焼き付いて離れない。追いかけても遠い。遠すぎる。
「クソが」
「何がクソだよバーカ!」
「は?バカっていうほうがバカなの!」
 せっかく、追いついたと思ったら。
「バカっていうほうがバカっていうほうがバカ」
こんな、バカのアホまぬけだったなんて。

「……オメー、顔はかっこいいんだから少しはかっこつけたりとかしないの?」
「俺普段めっちゃ頑張ってるの知ってる?」
知ってるも何も、それを見てお前の隣までこぎつけたんだから、当たり前じゃんか。それを間近で見たくて、それで。
「……アンタみたいなバカ相手じゃないと、こんなバカな俺、やれてないし」
「…………は?」
始めてみた、こんな、ほにゃほにゃの顔。こんな顔他の人に、見せてないのか。可愛いのに。いや、見られたら困るのか。思考が絡まって、言葉に詰まってきた。
「は?って、お前、本当に、バカだね」
「……バカでけっこー。」
俺はもう、未練無いわ。

7/22/2025, 5:24:47 AM