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【I LOVE】

「お、ねえ見て柊」

「ええ…ベランダ寒くないですか……?」

「いいから」

シャワーを浴びたばかりの濡れた髪でベランダに出る律さんに手招きをされて、冷えたスリッパに足を入れる

「さむっ…」

「ほら、あれあれ」

白い息を吐く彼につられて黒い空を見上げれば

「おお」

普段よりも大きく、丸い、白い月がそこにあって

「今日って満月ですっけ」

「そうなんじゃない?あ、一等星」

「オリオン座じゃないですか?ベテルギウスだっけ」

「へえ、詳しいね柊」

「昔テレビでみただけですよ」

そう広くないベランダで、寒いねと肩を寄せ合い、白い息を吐きながら、空を見ている

ああ、幸せだ

「柊」

「ん、はい?」

手すりにもたれかかったその人の優しい瞳が、ただ、静かに自分だけを見つめていた

「月、綺麗だね」





「そう、ですねぇ」

月は、もう、ずっと前から

6/12/2025, 5:51:35 PM