はぁ、最近私輝いてない…
元気がない。
体力がない。
気力がない。
昼間は常に眠いし、夜はもっと眠いし、帰ったら寝るだけ。
趣味的なことをやる元気もない。
てか、趣味ってなんだっけ?
ほら、こうして歩いてるだけで息切れしそうだ。
なぜなのか。
『それはね、本当の君は眠ってしまっているからさ』
声が聞こえた。
銀髪の彼だった。
『眠いというのは気分じゃない』
『本当に眠っているからさ』
『なんのことかわからない、そんな顔をしているね』
『つまりこういうことさ』
『体は起きていても、君の本体は眠ってしまっているんだ』
『体が本体じゃない、君の本体は別にあるんだ』
『それは君の奥深くさ』
と、近未来ロボットアニメイションの銀髪の彼に似た彼が言った。
『それを思い出してごらん』
『現実があまりにも強すぎるんだね』
『だから現実が本体だと思ってしまうんだね』
『わかるよ』
『でも現実が「すべて」ではないのさ』
現実が強すぎる、か。
現実とはまやかしに過ぎないということか。
そう、現実はあまりにも強くて辛くて厳しくて、
心が疲れて、眠ってしまいたくなるんだ…
…
そして、私は眠ってしまった。
夢を見た。
幼い頃の夢だった。
どんな夢かは覚えていないけど、
とてもやさしくて、あたたかい夢だった。
『フフ…よかったね。』
と最後に銀髪の彼が言った。
そして、私は少し元気が出た。
夢の中で見た私の本体、
本当の私は、まばゆく輝いていた。
『輝き』
完
2/18/2025, 9:57:59 AM