桑名仁

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テレビニュースで連日報道されている事件を見て、あなたが光のある方へ進めたのだと思った。 ゆっくりと一歩ずつでも、進めていて、よかった。あなたが姿を消してから、ずっとあなたのことだけを考えていた。ご飯は喉を通らないし、微かな物音でさえもあなたかもしれないと目を覚ましてしまう。ぐるぐると脳裏を駆け巡るあなたの顔は、いつだってつらそうだった。

幸せになれないあなたに、幸せになってほしいと思っているわけではない。あなたは幸せになってはいけないから。それだけは紛れもない事実だ。でも、不幸でいるべきではない。不幸でいてほしくはなかった。己を責め続けてほしくなかった。

私はあなたのように"自分"を貫けない。強い意志なんてない。呪われてもいない。でもあなたと出会って、私にもやり遂げたい信念が生まれた。

たとえ間違いだったとしても、私だけはあなたを肯定し続けること。

あなたの行為に善悪なんてつけられない。その行動で救われた人間は居るのだから。でも反対に失われた命もある。誰かが救われる裏には誰かが犠牲になっている。
そういう風に出来てしまっているこの世界の仕組みが理不尽なのだ。それでもあなたに出来る最良の選択をしているし、何も間違えてはいないと私だけは声を上げ続けたい。それがあなたのなかのほんのひとつだけでも、救っていたらいいなって、思うんだ。

4/22/2024, 1:19:49 PM