短い小説 『放課後』
「今日の授業はここまでだ」
今日の時間割が終わり、皆は一斉に帰る支度をした。
次々と帰っていく中、私は帰る準備もせず窓を見ていた。
全員が帰ったあと、私はようやく動いた。
「ケッ」机の足を勢いよく蹴った。その反動で椅子も動いた。
今日はめちゃくちゃな日だ。ふざけんな。
誰でもこういうことは一度はあるのだろうが、私はここ何日かイケてない。失敗だらけの恥だらけ。もう自分が嫌になった。
「あーふざけんなー!」私は次々に溜まってた本音を吐き出した。
すると不思議と、気持ちが少し楽になってきた。
今はもう放課後だ。過ぎた時をイライラし続けてももはや無駄。
「おし、メシ喰おう」
またイライラはぶり返すかもしれないが、食べて寝て誰かに相談すりゃ勝手に落ち着くだろう。私をイライラさせたヤツらに自分の時間すり減らされてたまるか。
解放された私は無敵であった。
10/13/2022, 9:50:37 AM