馬公夂太

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(輝き)

『星は良いよなぁ』
学校帰り、自分の横を歩く友達が夜空を見上げながら唐突に呟いた。

『星? なしたの?? 何か見えたの???』
友達の動きにつられて、僕も夜空を見上げた。

二人して立ち止まって夜空を見上げているもんだから、近くを歩いていた通行人達も立ち止まりはせずとも夜空をチラッと見上げていた。

『だってさぁ星の光って何年も前の光が、今こうして俺たちに届いてるんだろー? てことはだよぉ? 星の方が俺たちよりも未来を生きてるんだろ?? すごくね?』

???

通行人も僕も、ん??ってなっていた。

『なんでわかんないの!? 何年も前の光が今、やっと俺たちに届いてるんだよ! てことは今、俺たちに届いた光は星達にとっては過去であって、星達は今、未来で輝いてるんだよ!』

何となく友達の言いたいことはわかった気がする、、
でも、とんでもない勘違いをしている気もする、、

なんて伝えてあげようかと考えていたら

『星は未来で輝いてるか、、、ありがとう、君たちを見てたら明日もなんか頑張れそうだよ』と、やけに疲れた顔をしたサラリーマンに感謝された。

???

僕も友人も、ん??となっていた。

気がつけば、周りの通行人はニコニコしながら、というかクスクスしながら歩いてる。

『腹減った! 帰るか!!』

友人にそう声を掛けられて、僕たちは歩き始めた。


2/17/2025, 11:46:53 AM