川柳えむ

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 数人だけの小さな組織で、大切な仲間達を手に入れた。
 俺達は、みんな何かの事情を抱いてここにいる。だから、お互いを信じられないことがあったって仕方がない。それなのに。仲間はみんな気さくに話し掛けてくれる。ここを心地良い空間にしてくれる。

 ――もし俺の正体を知ってしまったら。
 この組織の本当のトップは俺で、その真の目的を仲間達が知ってしまったら。みんな、俺から離れていってしまうだろうか。
 ……いや、もしかしたら、あいつらならついてきてくれるのかもしれない。
 でも、離れていってしまう可能性の方が、当然高い。だから、何も伝えない。
 たとえ仲間達がいつか離れてしまっても。この目的と仲間を天秤に掛けなければならない日が来たとしても。
 この目的を達成する為に、俺は動く。俺はこの目的を見失ってはいけないのだから。


『仲間』

12/10/2023, 10:57:37 PM