あのこをたすけるためだった。
まいにちからだにきずがついていた。
たすけたいとおもった。
きょうもあのこのいえからどなりごえがきこえる。
ぼくはたまらずかけだしてこっそりふたりであうために
もらったかぎをつかっていえへはいる。
そのときにはもうあのこはぼろぼろだった。
たすけなきゃ。それだけがあたまをうめつくしていた。
ちかくにあったはさみをおもいっきりあのこのおやへ
つきさした。
もうにどとおきあがれないように、
もうあのこにつらいおもいをさせないように。
なんども、なんども、なんどもさした。
しばらくするとばたばたうごいていたものが
ぴくりともうごかなくなった。
これでいい。これでよかったんだ。
「もうだいじょうぶ、ぼくがそばにいるから。」
これはふたりだけのひみつだよ。
5/3/2024, 4:57:48 PM