crew10

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壊れかけの冷たいガラスの欠片は
熱い男の肉体を向かえ入れる
それを知っている、遠い国の別の男は
生身の若さを求め、力づくで他人から肉体を奪い取る

さっきまで、縁側で愛するものと会話していた、ある男は不思議に思い
力づくの男について行ってみた
でも、いつになっても答えが出ないので
その男は、痺れを切らし
無言のまま、風となり消え
愛するものの元へ帰った。
帰ったしるしに、サルスベリの苗を植えて帰った。

何年か経ち、その木が綺麗に花を咲かせる頃、別の男がその花を梅と間違えて
木を登ろうとした。

植えた男は、思った。
高いところから、どう登るか見てみようと。梅の木が欲しい男は必死だ
必死過ぎて、梅か桜かわからないまま
気に寄り添って登ろうと決意している

その、木を眺めていた
ある老夫婦は、そろそろ
犬を保健所に連れていく時間だと言った

女は泣き、男は平然としていた。

その頃、僕は隣の部屋からピアノを奏でた

老夫婦は聞こえないフリをして
家へと帰っていった。

僕は、それを知りながら
申し訳なく、ピアノを習って弾いた

サルスベリに音色が乗り
木の下にいた男は、桜だと確信した

それを、憐れみた神様は
花の名前の得意な気の優しい人から教えて貰いなさいといった。
でも、その優しい人は犬を連れ何処に進んでいるのかもわからないし
すぐタクシーに乗るのでいつも行方は不明

神様は、とうとう
口をつぐみ、空へと帰っていった・・
君とのスペシャルデー。




7/18/2025, 11:55:45 AM