ゆかぽんたす

Open App

ひどい振られ方をされた。
“俺の好みじゃないんだよね”。あんな言い方ってある?それ以外にも結構辛辣な言葉を言われた。あんな人をずっと好きだった自分が恥ずかしくなった。帰り道をとぼとぼ歩きながら1人で泣いた。幸いにも、学校の誰とも会わなかった。下を向いて何とか家の近くまでやってきて、途中にある公園に寄った。ベンチに座ってまた俯いていると地面に染みができた。雨じゃなくて、私の涙だ。
暫くは引きずりそうだな。他人事みたいに考える。そうでなきゃ、やってられない。ひどい振られ方をされたんだから、いつまでもうじうじ根に持ってなくたっていいのに。私の性格上とことん悩んで思い詰めてしまうから、そう簡単には切り替えられない。はぁ、と、何度目か分からないため息を吐いた。足元の染みが増えてゆく。それ以外に、地面には枯葉が落ちていることにも気づく。きっとこの頭上の桜の木の葉っぱが紅葉して落ちたものだろう。私の涙なんか、栄養ないから吸収したって無駄だよ。周りに誰もいないから、そんな変な独り言を喋っている。今の私の心も、この枯葉みたいな色してるんだろうな。茶色と灰色が組み合わさった、汚れた色。足元の葉を1枚拾って暫く眺める。ふぅ、とまた出たため息と一緒に手を広げる。ヨレヨレの枯葉が寒い北風に攫われていった。私の弱い心も、こんなふうに攫っていってくれたら――。

2/19/2024, 2:07:24 PM