▶95.「やさしくしないで」
94.「隠された手紙」
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1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
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イレフスト陣営、対フランタ技術局にて
「おお、来おったか」
「助かりましたね、課長」
バタバタと大きくなっていく足音の後に、王宮へ送り出した部下2人と応援だろう軍服8人組が飛び込んできた。
「課長、遅くなりました!」
「局内設備の起動に成功したんですね!」
「わしは何もしとらんがの」
「技術保全課課長とお見受けします、私は第二隊5班の班長ライラ。他に6班が地下通路入口に待機しています 」
「いかにも、わしが技術保全課課長のホルツじゃ。早速じゃが状況説明をするぞ」
聞いている部分もあるかもしれんが、わしも整理したいからの、と前置きしつつ簡潔に今までの状況、目の前で起こったことを説明する。
「では、ホルツ課長はここに収められていたものも持ち去ったとみているのですね」
「うむ、その人物、まぁここの埃が少なくて足跡もよく見えんから単独か複数かも分からんがの。ともかくイレフスト国の技術に詳しい奴の仕業じゃ」
「意図は不明ですが、侵入者であり窃盗の容疑者には変わりありません。しかも、持ち去られたものが兵器である可能性まであります。国境の検問は既に強化されていますが、施設を破壊することも容易であったのに隠蔽工作を行っているということは、ここに戻ってくる可能性も十分にあります。侵入者など優しくしないで良いでしょう。人員を増やすよう進言しましょう」
「うむ、それがよいじゃろ」
◇
読者に優しくしないで作者の書きたいように書いてしまった結果、
人形たちの旅路とイレフスト陣営の動きの時系列が分かりづらくなってしまいました。申し訳ないです…。
整理すると、こんな感じです。
①人形、技術局に着いて早々設備を起動させる。
➡︎イレフスト王宮施設のF16室に起動通知の点滅
(無操作によるスリープ状態だったと思っていただけたら)
気づいた王宮陣営が動き始める。
②用が済んだ人形とナナホシ、動力取り込み装置を覆って強制的に動力切れを起こさせる。
➡︎点滅が消える。技術保全課長一行が技術局に向けて出発
③人形たち、地下通路は避けてフランタ国を南下してサボウム国へ。
➡︎一行の調査により技術局の異変が人為的なものであると確定、王宮にいる軍へ報告。
➡︎報告を受け、将軍が国境警備の強化と技術保全課への応援派遣を決定する。
➡︎動力切れを起こしていた技術局の設備が回復。何かしらの物体(実はナナホシ)が持ち去られていることに気づく。
④王宮陣営が網を張り終わった状態で、人形たちはイレフスト国に入国。
今ココ➡︎さあ、この後どうなる!?
※人形たちの知らない物語群は、80〜90年前くらいの出来事として書いています。
人形たちがいる世界は、人間の平均寿命が現代日本より短く記憶の風化が早い(設定)です。また、戦乱の原因を進みすぎた技術革新のせいと考えた人々の手によって、その技術は後世には伝えられず風化を意図的に促進させています。
となると、知らない物語の主人公____のことは何もわからずに終わってしまうな…と気づいたところから始まった突発的な閑話です。
プロットも無く、
(そんな先のこと考えられない作者の技量不足です)
また、3つの時系列を同時進行させるという、
(お題と、それに対する私の書きたい衝動のせいです)
無茶なことをしているせいです。
重ねてお詫び申し上げます。
2/4/2025, 8:58:43 AM