木弓るん

Open App

繊細な花

それは窓辺の一輪挿しに生えていた
光を受けてキラキラと輝く一輪の花
見たこともない、名前を知らない花

触ってはいけない
そう言われていたのもあったけれど
触れずに、見つめるに留めていた

直感として
触れてはいけないものだと
そう、思ったのだ

君がいなくなって
僕は無意識にその花びらを撫でてしまった
その一瞬で
繊細な花は砂のように砕けて消えた

6/25/2024, 10:45:51 AM