須藤 東

Open App

『絶対に届かない君への手紙』

涙が乾いて見えなくなるように
ぼくの書いた文字はやがて
滲んでいって朝日を浴びて
気づけばガラスになって
部屋いっぱいに散らかっている
ぼくの誰も知らない情熱が
熱に火がかさなって
赤熱して
こらえきれずに火が溢れて
ある日ぜんぶ燃えたよ
したためたのぜんぶ
それでも書けなくなるより
まだ書けるなら
絶対にいいと思うよ
絶対に届かない
君への手紙

10/27/2025, 9:13:21 AM