お題「部屋の片隅で」
「あーぁ、せっかくの流星群が…。」
幼馴染の晴香が、残念そうに肩を下げる。
今日は何年に一度かの流星群の日だった。
しかし、外を見れば真っ黒な雲が空一面を覆っている。
「ちょっと目を瞑って待ってて。」
目を瞑ったのを確認して、押し入れを開ける。
ゴソゴソと探れば、僕が探していた物が見つかる。
僕は部屋の真ん中にそれを置いて、電源を付けた。
「え、星だー!」
部屋の片隅で、僕の隣で嬉しそうに目を輝かせる晴香。
前にクリスマスプレゼントで貰ったプラネタリウムを使ったのだ。
凄い!凄い!なんて彼女が笑う。
良かった、元気になって…。
「ありがとう!」
照れ臭くなった僕は、うん…と小さな声で言うことしか出来ないのだった…。
12/7/2022, 10:22:51 AM