戻れない旅に出かけている。
穏やかな風が頬を撫でる。
夢のような景色が、目の前にゆらゆらと揺れている。
なんて綺麗なのだろうか。
1年のうち、ほとんどが夜だという、この恐ろしい世界も、この光に照らされればここまで輝いて見えるのか。
綺麗だ。
綺麗で、くるしい。
死んでいった仲間たちのことを思い出す。
消えていくもの。不確かなこと。それでも大切だったものたち。
皆、どうしようもなく失われてしまった。
僕はたった1人になってしまった。
なのに、どうしてこの世界はこんなに綺麗なんだろう。
白い息を吐く。
遠い思い出を思い出す。
優しい光に包まれる。
1/5/2026, 11:07:26 AM