夏も終わり、だんだん涼しくなってきた。
「ねぇ、一緒に帰ろ」
幼馴染の亜希が声をかけてくる。
「なんでお前なんかと?」
俺はいつもの調子で答える。
「なんで?嫌なの?」
亜希は俺を見つめる。
「い、いやではないけど…」
なんだ?このどきどきは。
「別にいいよ、うち一人で帰るから」
「待ってくれ!一緒に帰るから」
反射するように俺はいう。
「ふふっ。何よ急に、一人で帰るわけないじゃん。」
亜希は俺をからかう。
「うっせーよ」
亜希は笑っていた。
俺ば初めて恋を知った。
秋の夕暮れに、トンボが飛んでいた。
10/9/2025, 1:44:59 PM