子どもの頃、祖母に
「おばあちゃんは何でおじいちゃんと結婚したの?」
と聞いた。
「昔は親が決めた人と結婚するもんだったんだよ」
と祖母は答えた。
「お見合い結婚」でも「恋愛結婚」でもないのかーと思った。
子どもは分類したがるものである。分類していく中で分類できないものがあることを知り、項目を増やしたり、分類をやめたりする。子どもの成長の過程である。
今のわたしは、結婚にさまざまな状況があること、結婚しない形態もあることを知っている。
先日、祖母が亡くなった。長生きし、大往生だったと言えるだろう。
相続手続のために戸籍を調べた際、祖母が実は祖父とは二度目の結婚であったことを知った。家族誰も知らなかった。
戦後間も無く結婚し、数ヶ月後に死別したらしい。おそらく相手は結婚時すでに病を得ていただろう。
「その人のこと、きっとたぶんすごく好きだったんだよ」と母は言った。
#恋物語
5/18/2023, 12:16:37 PM