土砂降りの雨を降らす黒い雲すらすり抜ける。隠し切れない暗がりで、目を凝らすわずかな時間稼ぎでいい。二度と来ないチャンスなら、殴られても蹴られても手を離さずに捕まえる。どうしてもこの人でなければいけなかった。雲の向こうで神鳴りは見咎めるが、うまく隙をついた罪は成就した後です。罰ならこれからいくらでも、体当たりしていくつもり。ただひとつ、痛む拳を引っ込めて諦めてくれたこの人は、気の迷いだと見逃して下さい。「暗がりの中で」
10/28/2024, 11:51:08 AM