感謝してるよ、人間/平穏な日常
「死神だ。君を迎えに来た」
俺がこう告げれば、その人間にとっての「平穏な日常」はたちまち崩れ去る。
しかし一方で、それは死神である俺たちにとっての「平穏な日常」になってゆく。
毎日毎日、何百、何千、何万もの人間の生命が、運命に従って規則正しく失われていくことが、死神である俺たちの「平穏な日常」を形作っているのだ。
人間の「死」というものが無ければ、俺たちは存在していられない。
全く有難いことだ。生命の終わりに感謝。
……酷いと思うか? なら、考えてみるといい。
自分にとっての「平穏な日常」が、誰かにとっての「平穏な日常」を奪っている可能性について。
コーヒーでも淹れよう。ほら、そこへ掛けて。
3/11/2024, 1:36:48 PM