さよならは言わないで🕶
偽りなのか疑いなのか不安定な愛を確認した翌日
「ごめん、もう会えない」
いきなりそう伝えられた。朝日がまるでお前がいけないんだと責める様に私を照らす
「なんで…?」
「警察に疑われてる、君を巻き込みたくない」
「もう既に同じ穴のムジナでしょ…昨夜、愛してる言ったじゃない!!」
「申し訳ない。でも本当に君を僕がいるような暗い世界へ巻き込みたくないんだ。」
泣きそうなほど悲しい顔して、冷たく私を引き離す
「あなたが連れてきたのに、あなたが、、、」
「ボス。居場所がバレそうです」
「……もう行かないと。」
「いつか戻ってくるよね?」
床に脱ぎ捨てられたシャツを拾って彼が言った
「…誰かに関係を聞かれても知らないと言ってくれ」
「…わかった。でも…さようならは言わないで。次は私があなたを探し出すから」
「ありがとう。心から愛してる」
初めて見た彼の顔には昨日のような疑いは見えなかった。
「私も」
部屋に残ったのはバニラのようででもどこかスパイシーな彼の残り香と真っ白なシーツと私だけ。
12/3/2023, 2:36:39 PM