初恋の日
五月雨は緑色 悲しくさせたよ一人の午後は
恋をして淋しくて 届かぬ想いを暖めていた
好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心
放課後の校庭を走る君がいた
遠くで僕はいつでも君を探してた
浅い夢だから 胸を離れない
夕映えはあんず色 帰り道一人口笛吹いて
名前さえ呼べなくて とらわれた心見つめていたよ
好きだよと言えずに 初恋は
ふりこ細工の心
風に舞った花びらが 水面を乱すように
愛という字書いてみては ふるえてた あのころ
浅い夢だから 胸を離れない…
胸を離れない…
ザァー
静かにレコードの回転は終わっていた。
机に突っ伏して その歌声を聴いているようないないような、そんな1983年の午後17歳は、この歌の世界にいた。
その頃は女子より男子の方が純な気がした。
ちょっと焦らすような
それでいて、イライラするような感じ
なんか、なんかボケてる彼は冗談しか言わなくて、変な悪戯を仕掛けて来て、しょうもなくて笑いながら自転車のペダルを踏んだ。
それでも、何故か突然
真顔になったり、腕を引っ張ったり
肝心なところで、男の子だったり女の子だったりな二人だった。
いつも、光と影の中でじゃれあって
悩みも相談して いつの間にか
なにかに傷ついていた、そんなとこよく似ていた二人だった。
そのうち、互いに世界が広がり
レストランのバイトのように
人も入れ替わり
人混みに押されて
傘の波は離れて行った。
次に誰か好きになっても
恋も2度目なら
少しは上手に 甘い囁きに応えたい
なんて 上手なこと言えなくて
いつも、あんなにピュアに恋することを教えてくれた貴方には叶わないわ。
1番綺麗な風に 貴方と吹かれていたから。
とかなんとか言って
セピア色の写真を見つめている。
短ランにボンタンの貴方の横には、三原順子になりたかった十七歳のわたし…
いつか何処かで会っても変わらないでねって変わらなきゃ駄目なんだから。
それが、生きるってこと、写真の中の貴方は変わらないけど、私は変わったわ。
もう、会える自信が無いかも知れない。
私だと気づいてくれるかしらね、優しい時が互いに流れて、30ウン年ぶりの再会に心躍る
週末は同窓会、同窓会は初恋の日🌷
2024年5月7日
心幸
5/7/2024, 4:47:07 PM