Kitty

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『こんな夢を見た』


 とても幸せな夢だった。私とあなたが白い服を着ていて、壁や床ですらも全部真っ白。

 私を見つめるあなたは優しくて、愛しい人でも見るかのような………私ではない誰かを見ているのだろう。だって、あの人は私をそんな慈愛じみた瞳で見つめないのだから。一生叶わないとわかっていた。自覚してはいけない、望んではいけない“夢”を見てしまった。

 好き。愛してる。
あなたに贈る言葉は、そんなふた言では収まらなくて。
あなたが愛おしくてたまらなくて。

 いつか、あなたと一緒に人生を歩めたなら、

 いつか、あなたと愛しき子をこの手にだけたなら、

 いつか、あなたと一緒に土に還れたなら、


 きっと、幸せだろう。わかりたくなんてなかったよ。
私はあなたを愛しているなんて、知りたくなかった。

「大嫌いだよ、馬鹿」

 届くはずもない声を嘲笑った。

1/24/2024, 9:14:23 AM