お題「誰にも言えない秘密」
僕の人生の通行人には、僕はきっとこう映っている。
無邪気な笑顔で、自信家で、積極性のある、陽の者だと。
昔は笑顔を作ることすらままならない人間だった。
でも次第に、不器用で、臆病で、自信がない自分が恥ずかしくなった。
今では立派な道化師と言えるだろう。
そんな僕を慕うやつは沢山いた。でも粗奴らが慕っているのは、僕じゃない。
自分の部屋から一歩ま出てしまえば、それはもう僕じゃない。
ただの見世物だ。
ヤニの匂いを香水で、この顔を絵の具で、腕の傷を袖で、全部隠した。
だから誰にも言えない。僕のホントは、誰にも見せられない。
6/5/2024, 2:57:22 PM