「逆さま」
私と貴女はまるで正反対
産まれるまでは同一だったはずなのに
出てきた瞬間から貴女は愛されて
私は忌み嫌われた
それでも貴女だけは私を愛してくれた
母様からも父様からも空気として扱われる私を貴女だけが認識してくれた。
だけどそんな日々も続くはずもなく突如として忌み嫌われた日々は終わりを告げる
私が貴女を…
唯一私を愛してくれた貴女を落とした
暗いくらい井戸の底
貴女は何も言わずに、ただ笑顔で真っ逆さまに落ちていった
私はその日から貴女になった
だけど、貴女は愛されてなんかなかった
私は貴女に守られていた事を知った。
貴女はこの狂った家から逃げられるのが嬉しかったのか
私は今日も愛される
醜い奴等に貴女の代わりとして
12/7/2023, 3:45:09 AM