──この二人は私に隠し事をしてる。
幼馴染のユカリとコウスケと下校してる中、ナツミは後ろから二人を見つめながら思った。
あれは一週間前のこと。
放課後に教師に呼ばれ、二人には少しの間教室で待ってもらっていた。
急いで戻ると、ナツミが見た光景は、背伸びをしたユカリがコウスケにキスをしていたところ。
ドキリとしたナツミはすぐにしゃがみこんだ。口手をあて息を殺した。
あいにく、ユカリたちはナツミに気づかずクスクス笑いあっている。
──付き合っていたんだ……。
ナツミの心がズキリと傷んだ。
それからナツミは二人の関係に気づかないふりをした。自分の気持ちさえもなかったことにして。
──だってお姫様と結ばれるのは、いつも王子様なんだから。
12/12/2024, 8:09:29 AM