「恋心と心拍数は連動しててもいいよね?だとか人体の構造を雑に決めた神を必ず探し出し息の根止めてやる」
よく分かんない理屈だけど、そんな決心をしたのは私の曾々々々々祖父、つまり七代前のご先祖様だ。
名前は弥五郎。レトロだよね。
我が家に伝わる話では、その(略)じいちゃんと彼の嫁さん、(つまり私の曾(略)祖母)は二人相思相愛の仲だった。
毎朝毎晩毎分毎秒、じいちゃんの顔を見る度にときめいてやたらドキドキしていたばあちゃんの心臓はすっかり弱ってしまい、子供を産んですぐに心臓が止まって死んでしまったのだそうだ。
で、恋女房を不意に亡くしたじいちゃんは、その悲しみを怒りへまるっと転換して「神殺し」なんて大それた計画をぶち上げて……本当に神の国まで行ったって。
神の首根っこ引っ掴んで剣を突き立てたまでは凄い。まるで物語の主人公だよ。でもさ、そう簡単に死なないしやられた分だけやり返すのが神様って奴だよね。
七代前のとんだご先祖様のおかげでうちの一族は、どれだけ好きな相手にも一切心がときめかないなんて、わりと通好みな感じの呪いを受けてしまったんだ。
ねえ。
好き。
心の底から大好き。
愛してる。
やっぱり伝わりにくいかな。
何言っても、何言われても、顔色ひとつ変わらない無愛想だけど、貴方のことを思っているのは本当だよ。
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「心と心」
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所感:
ドキドキしているのを好きだと勘違いするのが、吊り橋効果でしたっけ。
12/13/2022, 8:23:16 AM