12ドゥニエのピストル

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君、とは誰だろうか?君という言葉は大分仲が深い人に対してにしか使わないように思える。自分には実際に君と呼べる人間に出会ったことはない、が一つ実際には言ったこともないし、言えないが心のなかで君と呼んでも違和感のない人は一人いる。初恋の人がそれにあたりそうだ。
自分があの人に最後にあった日、それは間違いなく卒業式だろう。自分はとても臆病でその日になる二、三年前から好きでいたというのに最後まで自分の思いを伝えることは叶わなかった。いや、正直あのときの自分はあの人のことを神のように捉えていたというか、君と呼ぶには畏ろしいとも思っていたな。今はその初恋の相手と離れてから何年も経っており流石にあの頃の恋心は残ってはいない。そう考えると君と呼ぶには馴れ馴れしいような気もする。自分はあの人を君と呼べる時は思い返してみると一時もないのかもしれない。
あれほど自分の心が焼かれるようなほどの恋心を抱きその熱で焼印を押されたように一生離れることはないとも思えていたのにありきたりかもしれないが時間の残酷さをひしひしと感じる。
と言ってもあのときのあの人が今もいるとは考えにくいしずっと過去に囚われるよりかはマシかもしれない。
素晴らしい経験をさせてくれたあの人には感謝しているが自分はもう冷めている。焼き印とはならなかったが焼かれたことは事実。
ありがとう。

6/26/2024, 3:23:38 PM