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太陽のような


その世界は嘘でできていた。見上げた先にある青空は青で塗られた天井で、時折降る雨はホースから水やりをするかのように降ってきて、太陽のような眩しい光は、ただの光だった。あたたかさなんてないけれど、その世界ではそれが太陽だった。
そこに住まう人たちはみんな笑顔で、楽しそうにしていた。もちろん、それ自体が嘘なのかもしれないけれど。
ただ、そこで暮らした日々を嘘にはしたくなかった。君と出会ったことも、仲良くなったことも、喧嘩したことも、決して嘘なんかではなくて。
だから、世界が終わった日に見上げた本物の快晴が美しくて、豪快に笑う君が手を差しのべてくれて、何故だか涙が出たんだ。嘘ばかりの世界だったけれど、あの日々は紛れもなく本物だったから。

2/22/2023, 2:11:45 PM