もち米

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「願い星」
「星夢(せいむ)」
ー星が溢れてやまない。
君の夢がどうか叶いますように。ー
それが、私が大好きな人の名前でした。
そして、お母さんとお父さんは言った。
「星夢の夢はきっと、君の夢が叶うことだよ。」
私の夢は、星夢と一緒に作り上げなければいけないの。
そうじゃなきゃ、だめ。
こんな、子供の私には届かない夢だろうか。
あなたが私のことをどう思っているか、そんなことどうでもいいの。
私はあなたという人に存在価値を感じているの。はやく、私のところに来て欲しいのに。

今日の私は星1つ。
星1つ分の願いを込めて、
ーあなたが早く私のところに来てくれますようにー。
今日は七夕。なので、今日は星7つ分?の願いを込めて、
ーあなたと手を繋いで一緒に歩けますようににー。
そんな風にして、ジャムの空き瓶の中にその日の願い事を込めて、新聞紙の切れ端で星を折った。それを1つづつためていった。
なのに、なのに、星が満タンになっても、あなたは私の元に来ることは無い。なぜ?こんなにもあなたの事を待っているのに。思っているのに。この思いは?私の気持ちは届かない。、、、、悲しいな。
ある日、母は言ったの。泣きながら、
「ごめんね。星夢は私たちの元に来てくれなかった。本当に、、ごめんね。」
あぁ、そうか、来れなかったんだ。
「じゃあ、、私はお姉ちゃんになれないのね?」
ポロッと涙が溢れた。
「ごめんね。きっと、また、来てくれるから。あなたは立派なお姉ちゃんよ。」
分かってる。分かってる。お母さんが1番辛いことはわかってる。でも、こんなにも思っていたのに。
私は自分の子供部屋に駆け込んだ。
私は満タンの瓶の前に立って、急いで折り紙を取りだし、星を折った。 いつもよりも、いい折り紙を使った。レアな金色の折り紙を。
そして、ありったけの願いを込めて、満タンな瓶の上に、大きな星を置いた。
すると、星は溢れてしまった。シャカシャカと紙の音がかすかに聞こえた。
ポロッ。ポロッ。星の上に2粒の涙がこぼれ落ちた。
「あのね?星夢。今すぐじゃなくてもいいよ?、今すぐじゃなくてもいいから、ねぇねのところに来てね?、。待ってるよ?沢山、星が溢れるまで、待ったんだよ?今度はもっと、もっーと、大きな瓶にするから、だから、、ね?」
ポロポロと溢れる涙を必死に拭った。

その日の夜は、ぐっすり寝てしまった。
次の日母は、
「昨日の夜はたくさんの流れ星が見えたよ。とっても綺麗だったよ。」といった。
でも、いいんだ。私も夢の中で、願いが叶った気がしたの。
私が折った星たちが、沢山夜空に流れてたからー。

3/15/2024, 2:03:04 PM