大切な人がいなくなるのが怖くてわたしは一人でいるようになった。
もうあんな思いはしたくない。あんなに悲しむくらいなら最初からいないほうがマシ。
寂しくても一人で生きていける。
だけど、そんなわたしを放っとかないお人好しな人たちがいた。
わたしがどんなに怒っても、酷いことを言っても、いじわるをしても、その人たちは優しい目をしてわたしを仲間だと言ってくれた。
その度にわたしは泣きそうになったけど、グッと堪えた。泣くのなんて恥ずかしいしみっともないから。
……でもあの日、ついに我慢できなくなって彼らの前で大泣きしてしまった。
彼らはわたしが落ち着くまで抱きしめてくれた。
彼らが良い人なんてことはわかりきってる。わたしが信じきれなかっただけ。
彼らはわたしに大きな愛をくれた。
わたしは彼らみたいな愛を渡すことはまだできないけど、いつか彼らにも示してあげたい。
さしあたって小さな愛から渡そうと思うのだけど……
何をすればいいのかな?
町端のお花をあげるとか? それとも肩たたきとか?
愛を拒んでいたからどれくらいが丁度いいのかわからないや。
……まあ、じっくり考えてみようかな。焦らなくても彼らはいなくなったりしないのだから。
6/25/2025, 1:59:36 PM