【消えない焔】
私は飽き性だ。何に関しても突然、ふっと興味の焔が消えてしまう。これを私は、興味の範囲が狭くて移りやすいのだと結論付けた。あんなに熱中していたはずの趣味も、今となってはただの荷物だ。これを解除するにはまた興味が戻ってくるのを待つしかなくて、その度つくづく面倒な人間だなあと自分で思う。
人に対してもそうだ。どんなに相性の良い人でも、やっぱり焔が陰る瞬間というものがあって、段々と私は殻にこもりがちになっていくのだ。焔が戻ってきたら、急激に社交的になっての繰り返し。
ああ、よくないな。いやだな。その気持ちを抱えたまま、熱の上下に身を任せるしかなかった。
でも、君だけは違った。
君の焔はずっと昔から胸の奥に居続けていた。焔が小さかった頃から、私の活動の源になっていた。それに気づいた瞬間、突然大きく膨れ上がる焔。これまで体験したことの無い熱が身体中を襲う。焼け付くような熱が、不思議と心地いい。
それからというもの、この焔は一切陰らなかった。それどころかどんどんと大きくなっていっている。楽しい気持ち、嬉しい気持ちで温まった体を増してくれるのがその焔で、悲しい気持ち、辛い気持ちに疲れた体を癒してくれるのもその焔で、新しい幸せな感覚を与えてくれたのもその焔だった。
いつしか、その焔を大切したい気持ちより、君を大切にしたい気持ちが大きくなっていた。……いや、初めから、君を大切にしたい気持ちが焔となっていたのかもしれない。だから、この焔はこんなにも暖かで幸せな光を放っているのだ。
私は自然とそれを口にした。
その時ぽうっと、君にも焔が灯ったのが分かった。
きっと、人はこの焔を「愛」と呼ぶのだろう。
10/27/2025, 12:12:31 PM