赤い糸
運命の人とは赤い糸で結ばれている。
子供の頃、初めてそんな話を聞いた時は、自分のどの指にも赤い糸なんてないから、一生結婚できないと思って大泣きして、お父さんとお母さんを困らせたっけ。
でも、その時の私を諭したお母さんの言葉は、今でも好きだなって思う。
「赤い糸は、結ばれていないのではなくて、見えないの。みんな、誰が運命の人かなんてわからないからね。大事なのは誰が運命の人なのかじゃなくて、この人と一緒にいたい、とか、いてよかった、って思えるかどうかだと、お母さんは思うの」
もちろん、お母さんもお父さんと結婚してよかったって思ってるわ。
そう付け加えて、お母さんはひだまりのように微笑んだ。
いつまでも仲良しなお父さんとお母さん。
私も、一緒にいたいと思える人と、お父さんとお母さんみたいな、あったかい家庭を作るよ。
今までありがとう。幸せになるね。
6/30/2023, 12:27:32 PM