めしごん

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雨が上がった夜明けの草原には、人間には見えない命が満ち溢れている。
キャストペリンは尖った革靴の爪先で、葉先に揺れる丸っこい朝露を跳ね上げた。
りん、りん、と透き通った鈴の音を鳴らして、空中に散った透明な雫達から、くるん、ぽんと小さな小さな妖精達が生まれる。
りん、りん、
りん、
と、いくつもいくつも。
夜明けの眩い光線を浴びて、彼ら彼女たちは背中の虹色の羽根をぶるりと震わせ、涼やかな空気に鈴の音の笑い声を響かせて輪を描くように飛び立っていく。
キャストペリン、雪解けの精霊はにこりと笑って手を振る彼らの旅立ちを見送った。



小さな命

2/25/2024, 9:22:58 AM