思い出

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〔ねぇ、今度山でも一緒に行かない?〕

休み時間になり、チャイムが鳴った。
僕はキミの席の前に周り、しゃがんで上目遣いで訪ねた。

「え、山ってそんなに軽く行けないでしょ。」

キミは真顔でそう答えた。
僕は笑って、

〔いや、近くにある、あの小さい山だよ。
ほら、小学生の時とかに遠足で登ったでしょ?〕

そう言うと、キミは納得して頷いた。
その後に、

「久々に良いかもね。何時ぶりだろう、あの小山。
登るのって、今度の休みとか?」

かなり上機嫌そうな声が上からした。
僕は内心、デート!なんて、はしゃいでいた。
僕は出来る限り、ニヤケ顔にならないように、笑いかけた。

〔そうだね、そうしよう。あと、お昼とかどうする?
僕は、お弁当を山の天辺で食べたいなって。〕

するとキミから、嬉しい提案が来た。

「うん、いいね。本当に遠足みたいで懐かしいな。
お弁当、良かったら私が作って行こうか?」

僕は首を縦に何度も振った。
やった。キミの手作り。

〔うん、お願いします!僕、楽しみにしてるね!〕

そう言うと、キミは少し顔を赤らめて、

「そんなに期待しないでね。ちょっと恥ずかしい。」

俯いて言った。
でも、僕はしゃがんで居るから彼女の赤い顔がよく見える。とっても可愛い。やっぱり、好きだ。

今度こそ、告白したいなぁ。

いつも誘い方も格好良くないし、誘っても断られる事も
いっぱいあった。

キミによく、

「不器用だね、相変わらず。」

って笑って言われるし。

でも、笑われちゃうくらいに、
不器用な僕だけど、告白の時くらい、誰よりもカッコよく
決めて見せるから、

キミに、もう絶対に不器用って言われないくらいに、
僕なりに格好良くしてみせる!

8/31/2023, 12:24:07 PM