27(ツナ)

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木漏れ日の跡

小さかった頃、私はよく地面を見て歩いていた。
木漏れ日の跡がマダラに映る地面が珍しくて面白くて、目が離せなかった。
木漏れ日が流れ込んでくるところに手を出して光を掴んでみたり木漏れ日の跡を踏んで歩いてたり。
光は常に私の身近なところにあった。

いつからか、木漏れ日の跡を眺めるためでなく、私の視線は常に地面を見るようになった。
疲れきった日常の中、ふと昔のことを思い出して休日、よく行っていた公園に赴いた。
ちょうど天気も晴れで昔を思い出して木漏れ日の跡と遊んだら、なんだか嫌なことがどうでも良くなった。
木漏れ日は今も変わらず私の目の前に差し込んでいる。





11/15/2025, 10:27:43 AM