堕なの。

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◤告白が招いたもの◢

ベッドに沈む。ふかふかで高級なそれで見る夢は、悪夢だった。延々と、訳の分からない暗い穴に落ちていくのだ。底も見えない上も見えない。そんな穴の中。

いや、底も上も変わりないのだとしたら落ちていくという表現は正しくないのかもしれない。実際、物理法則など完全に無視したゆっくりとしたスピードで身体は沈んでいく。

いつもは、目が覚めるまでこのままなのだ。だが今日は違った。わたしの目の前に現れたのは一つのビデオだった。

「あの、付き合ってください」
「ごめんね」

あの日私が断った告白の場面だった。特に何も面白くないそれから目が離せない。

「告白されたんだけど」
「えー、キモ」

これは友だちにそれを伝えるシーン。他意はなかった。ただ、いつもその日にあったことを報告するように、この告白も報告した。

「告白するなんて烏滸がましい」
「学校に来るな」

これは彼の下駄箱だ。そこに入っていたのは罵詈雑言の書かれた手紙。

「アイツこの学校から追い出さなくちゃ」
「手を出さないという協定を知らなかったわけではないでしょうし」
「知らなくても有罪だね」

あれは、私の友だち。私の友だちがこんなことをしたというのだろうか。いつも優しいあの子たちが。いや、いつも優しいのは私に対してだけだったのだろう。そんなことも知らず、私は彼を追い詰めて行ったのか。

ああ、堕ちていく。


テーマ:落ちていく

11/24/2023, 8:33:05 AM